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ベンチャーってぶっちゃけどううなの!?悩むその②「張りぼてベンチャーの見分け方」

ベンチャー企業って、入社するまではキラキラしていて、「何でもできます」「業界を変えます」「世の中を変えます」的な投資家向けの聴きごたえのあるストーリーを聞くことが多いですよね。ベンチャー志望の方も、今は小さいけど将来有望で市場を席捲すると思うから辛そうだけど入ろうかと悩んだり不安に思ったりされていると思います。

しかしながら、世の中には、口だけのベンチャー企業って本当にあるんですよ!ってことをお伝えできればとこの記事を書いてみました。

ベンチャーを3社歩いて約20社のベンチャーを深くかかわることができた私の知見から
悩みの解消とまではいきませんがひとつの考えとしてとらえていただける生の情報をお届けします。

 

口だけベンチャーの騒動
最近で張りぼてベンチャーとしてはシリコンバレーバイオテックベンチャーセラノス社CEOエリザベス・ホームズ事件が思い浮かびます。

toyokeizai.net

イケイケの時は時価総額5000億円、700億円の出資を受けたそうですが、いまではゼロらしい。世界的ニュースになるくらいなので、この事例は、世界でも稀なケースだと思いますが、シリコンバレーでは”外面だけ”で中身がないベンチャー詐欺が結構あるとか。やはりアメリカは悪のスケールもでかいです。さて張りぼてベンチャーってことなんですが、端的に言えば、プレゼンやプレゼン資料、オフィスなど外ずらが良く、「なんでもできる」「競合はいない」と豪語するトップがいる企業が張りぼてかもしれません。そんな張りぼてベンチャーに入社して無駄な時間を過ごさないように、ベンチャー希望の方への生の情報としてお届けできればと思います。

張りぼてベンチャーの傾向(個人的感想)
・エンジニアよりマーケティングやプロモーションの人員が多い
・赤字でも社員には「好調」をアピール
・誘導尋問で社員をマインドコントロール
・面接でもマインドコントロール
・社長は会社、客先に居ず、行方不明
・役員の会食がやたら多い
・借り入れと出資がキャッシュドライバー

張りぼてとは口だけ、言葉を並べるだけのベンチャー
外面を良くして投資家から出資を引き出し時価総額を高めつつキャッシュを回す企業となるのかと思います。これって、社長として当たり前ではないの?当たり前です。自社の価値を高めキャッシュを持ってくるのは社長の仕事で重要なことです。「中身を作っていればね」という条件は付きます。中身がないというのは、プロモーションしている自社のサービスが実は実現できない場合や、経験が無かったり。これはベンチャーなら仕方がないこと。しかし技術的にできようもないことを、「何でもできる」「対応できる」は一歩間違えば、セラノスと同じ詐欺にあたります。特にAIベンチャーやテクノロジー開発系は技術的に出来もしないことをできますと豪語することは後々やばい!私がいた会社も、役員は「できる!」と豪語するが、受注するとクレームの嵐で工数負担がかかり赤字案件に。納品できればいいのですが、いつまでもずるずると塩漬け案件が多くありました。お客も自社の対応する社員も不幸です。出資をウイークポイントの強化や強み拡大の投資に回し、中身を強めるなら良いのですが、それよりも外面にお金をかけると浪費になり問題あるかと。

 

出資外企業もやられたい放題
出資企業もの場合も出資はしたが、技術が無く口だけなので仕事でシナジーが出せない。まぁ、「やられたなって」感じで、手を引くのがいいとは思いますが。
出資金も1年程度で食いつぶし。キャッシュが底をつきかけたら得意のプレゼンで銀行から借り入れするという結末になります。私のいた会社はそのような感じ。

売上の源泉は、グループ会社や関連会社同士のかなり怪しい受発注による売上。したがって売り上げは上がるが利益は出ないので赤字。時価総額を高めることは健全ですが、サービスできない、技術力がないことは詐欺に近い話になります

 

うまくいくまで、うまくいくふりをする
これが張りぼてベンチャーの姿で「うまくいくまで、うまくいくふり」をしている状態。うまく、行けば、会社を売り払って、株を保持している創業メンバーはいい思いをするでしょう。社員もその中で技術力を高めていれば、継続して勤めることも転職も可能です。しかし、案件の無い会社に勤めることは、技術者などにとっては張りぼて企業で過ごす時間、成長が乏しく後々リスクになります。

張りぼてベンチャーで社員として入社した場合の最大のリスクは、スキルを高めることができないリスクかと思われます。

 

張りぼてベンチャーでのリスク
・案件がない
・受注しても対応技術が無いので外注頼み(顧客には自社と嘘)
・顧客の為に奔走しても、社長から「工数をかけるな」とやっかみ
マーケティング人員が肥大し、エンジニアの採用がおろそかでサービス強化につながらない
・役員はプロモーションで動画のファン数やWEBサイトのアクセス数稼ぎに注力
・プロモーション効果はあるが売上につながらない

ベンチャーに入って成長するためには、自社の提供サービス含め部門横断的に仕事をして成長性を速めることも視野に入ると思いますが張りぼてベンチャーでは無理逆に時価総額をあげる「張りぼて業務」に奔走することになります。

 

最後は自分次第

しかしその中でも、事業を太く強くするという気概があるベンチャースピリットを持っている人はベンチャーに入社してはどうでしょうか。創業マインドを持ち社内改革を行う!個人としてはそのようなスピリットを持った方は、是非、中身のあるベンチャーか起業して頑張ってほしいと思います。

なぜなら、冒頭で紹介したセラノス社。詐欺でしたので論外ですが、優秀な人も社員には多くいたと思います。そんな優秀な人が働いていても結果は詐欺。トップの意思次第なんですよね。

 

単なるアイデアや口先だけではなく、顧客の為にサービスを磨き上げ、その成果をプロモーションし地道にやり続けて、花開くまで「うまくいっています」と歯を食いしばりながらプレゼンする。そのようなトップを支える社員として、または起業家として、成長できる場所を探して頑張っていただけることを祈っています。

ベンチャー企業に入社を悩んだり、不安に思っている人はぜひ口だけの張りぼてベンチャーに惑わされず、世の中を変える志と中身がワンセットになった企業を見つけてください。